「廃棄物はない。すべては未活用資源だ。」原点はABSにあった
誰も見向きもしなかったカーペットの廃棄物が、資源になる。漁網が、バッグになる。鶏の羽が、バイオプラスチックになる。「廃棄物はない、すべては未活用資源だ」という哲学で事業を切り拓き、2016年に東証マザーズ(現グロース市場)上場を果たした起業家がいる。株式会社リファインバースグループ代表取締役社長・越智晶氏だ。越智氏はABS(アタッカーズ・ビジネススクール)の修了生でもある。
ABSの門を叩いたきっかけ
愛媛県出身の越智氏は、大学卒業後に一般企業へ就職した。しかし「自分で事業をやりたい」という思いは消えなかった。スキルもネタも何もない中で悶々としていたある日、雑誌でABSの広告を目にした。
「大前さんがこんなことをやってるんだと。どんな人なんだろうという興味もありましたし、当時はベンチャー企業というのもまだ山師的な怪しげな雰囲気もあった時代で、大前さんが起業家を養成するってどういうことなんだろうという好奇心から門を叩いたんですね」
— 越智 晶1998年、ABSができて3年目。越智氏はその初期メンバーの一人として学んだ。ABSで得たのは「ジャストドゥイット」の精神と、同じ志を持つ仲間たちだった。
「仕事は走りながら考えるんだ。日本で起業して失敗しても何のリスクもねえんだから、とにかくやってみろっていう精神は今でも生きています」
— 越智 晶SDGsという言葉すらなかった時代に、廃棄物を資源に変えた
ABSで学び、大前研一氏のグループ内で起業支援の経験を積んだ越智氏は、2003年にリファインバース株式会社を創業する。
サーキュラーエコノミー、SDGs、ESGという言葉すら存在しなかった時代に、廃棄物リサイクルを本業として選んだ。廃棄カーペットから塩化ビニル樹脂を、漁網からナイロンを、エアバッグからナイロンを──独自技術で「未活用資源」を素材として甦らせ、メーカーに供給するビジネスモデルを構築した。
廃棄物処理市場と再生資源市場、それぞれ約10兆円規模の市場をつなぐ「サーキュラープラットフォーム」として成長を続け、2016年に上場。現在は三菱ケミカルとの資本業務提携によるケミカルリサイクル事業も展開している。
「失敗じゃない。経験だ。」
越智氏が次世代の起業家へ向けて語るメッセージは、ABSで学んだ精神そのものだ。
「失敗じゃない。経験だ。とにかくやってみることが大事で、その経験が必ず次に活きてくる」
— 越智 晶ABSで学び、仲間を得て、誰も信じなかったビジョンを20年かけて実現した。その原点は、好奇心一つで飛び込んだ一枚の広告にあった。
対談動画
ゲストプロフィール
| 氏名 | 越智 晶(おち あきら) |
|---|---|
| 所属・役職 | 株式会社リファインバースグループ 代表取締役社長 |
| 経歴 | 明治学院大学卒業。1993年大手化粧品メーカーに入社。1998年(株)大前・ビジネス・ディベロップメンツの設立に参画。2003年リファインバース株式会社を設立し代表取締役社長に就任。2016年東証マザーズ(現グロース市場)上場。 |
| ABS修了 | 1998年修了(ABS創立3年目) |
| 事業内容 | 廃棄カーペット・漁網・エアバッグ等の未活用資源を独自技術でリサイクル素材化。サーキュラープラットフォームとして廃棄物処理市場×再生資源市場をつなぐ。 |