拠点長が数字を自分事にしたとき、学校は変わった
メンバーのアイデアを採用する。インターナショナルスクール事業を率いる板倉平一に聞く
板倉平一 株式会社アオバインターナショナルエデュケイショナルシステムズ 取締役。Aoba-BBTグループのインターナショナルスクール事業を統括。社会人向け問題解決講座の事業責任者を経て、インターナショナルスクール事業の立ち上げから関わる。
1歳から18歳までの子どもたちに国際標準の教育を届けるインターナショナルスクール事業。「世界中どこに行っても活躍できる人になるための考え方と素養を身につけてもらう」というその価値は、BBTが社会人に提供してきたものと同じだと板倉は言う。学校経営の現場で、人はどう育ち、それは事業の成果にどうつながってきたのか。
Q. メンバーに仕事を任せるとき、決めていることはありますか。
ゴールをなるべく話すようにしています。作業的な指示を出すだけでなく、「こういうことを実現したいので」というところを伝える。そしてメンバーが考えて持ってきたアイデアは、できる限り採用します。もちろん最終決定までには自分の考えもぶつけますし、意見も言います。それでも「どちらでも成功しそうだ」と思えるときは、ほぼメンバーのアイデアを採用するようにしています。
Q. 多国籍の教員・スタッフが多く、任せた人が途中で離れることもあるのでは。
あります。大きな提案を持ってこられて「よさそうだね、やってみようか」と言った矢先に辞めてしまう、ということは今年も一つ二つありました。そのときは「残念でした」と思うしかない。仕方がないリスクだと捉えています。継続しなければならないものは継続しますし、その人がいないとできない話であれば、一旦止める判断もします。
Q. メンバーの成長が事業の成果につながった例を教えてください。
Aoba-Japan Bilingual Preschool(AJB)の立て直しです。各キャンパスが赤字で苦しんでいた状況から、3年間で利益化を実現しました。2023年に役員会で発表した計画どおりに進めることができた。これは間違いなく、メンバーの成長が牽引してくれた結果です。柴田(現会長)からの発信も大きな後押しになりました。
きっかけは、各拠点長に数字を自分事として捉えてもらったことです。PLを見てもらい、PLの説明をし、勉強会をし、数字についてどんな改善策があるかを話し合う定期的なミーティングを持ちました。リーダーが自分の部門に責任感を持ち、「自分にできることがこんなにある」と示していった。すると各拠点が一つひとつ具体的な対策を取ってくれた。一人ひとりの成長が確実な成果につながった、大きな例だと思っています。
Q. 次のリーダーを育てる仕組みはありますか。
正直に言うと、仕組みはまだできていません。自分自身の課題だと思っています。ただ、「やりたい」という意思とモチベーションがあり、素養があると見える人には、率先してポジションを与えるようにしています。もちろん結果が出なければ降格もありますし、その結果として退職する人もいる。機会を与え、サポートもし、結果についてはリーダーとして責任を取ってもらう。そのサイクルを経て、いまいるリーダーたちがいます。さらに成長してほしいと思っています。
Q. 3年後、事業をどんな状態にしていたいですか。
青葉というスクールブランドに通う生徒の数を、いまの倍にしたい。提携・協力関係にある学校はいま一桁ですが、桁を変えたい。他の学校からも頼っていただけるような、良い意味で影響を与えられる学校になっていたいです。海外にも出てみたいという野心も持っています。
いま一番の課題は、良い教育をいかに多くの人に届けるかです。学校は都内にしかなく、授業料も安くはない。どうしても限られた人にしか届いていない。この枠を取り払うために、オンラインのIBプログラムを始め、自治体や近い考え方を持つ学校との連携も進めています。まさにブレイクスルーしなければならないところです。
Q. そのために、いま始めていることは。
一つひとつがプロジェクトになるので、それをリードする人をアサインしなければなりません。そこで今年から、グループ全体で学校のリーダー人材の育成を始めました。校長レベルと、その下の主任・教頭にあたる層を、もう一段上のレベルに引き上げるための育成です。プロジェクトを担っていける人を育て、成長させていく。それに取りかかり始めたことが、いま一番大きい動きです。
「いろいろな課題を与えられても、『これ面白そうだな』と思って取り組んでいける人が向いています。教育会社なので、どこかに熱量を持っていないと続かない。BBTは『一番前を走っていよう』という心構えでやってきた会社です。面白そうなことはとりあえずやってみる。結果だめでした、も含めて。そういう人のほうが向いているし、会社にも必要だと思っています」
